室田 大樹

所属/職位 | 高校/教諭 |
担当 | 社会 |
学位等 | 修士(社会学) |
プロフィール
〈できる〉と〈できない〉の共存に関心をもっています。
この社会では何かが〈できる〉ことがよいとされています。楽器が弾ける、勉強ができる、運動ができる、人とコミュニケーションがとれる、働ける…。〈できる〉〈できない〉のものさしは、人に優劣をつけることを可能とし、〈できる〉人を上に、〈できない〉人を下にします。
〈できる〉人たちは選ばれ、ちやほやされます。〈できない〉人たちは分けられ、自分を肯定しづらいです。能力によって異なる対応がされることを、私たちは差別と呼ばず、区別として容認しています。
〈できない〉は許されません。〈できる〉人も〈できない〉人も、みな必死に努力しています。嫌でも、努力させられます。病気や老い、障害だからしょうがないと、〈できない〉が容認されることもありますが、憐憫や見下しのまなざしがついてきます。
〈できない〉人を〈できる〉人にする、もしくは〈できない〉人を排除するのではなく、〈できない〉をそのまま肯定する道はないのでしょうか。〈できる〉人たちと〈できない〉人たちが同じ場で共にあること。〈できる〉〈できない〉のものさしの力が弱まり、そしていつかなくなること。こうした社会の可能性について模索しています。
主な教育研究業績
〇論文(単著、査読有り)
・「寛容な場としての〈路上〉: 野宿者の生活保護利用が進むなかで路上生活を肯定すること」社会理論・動態研究所『理論と動態』(10), 6-23 2017年
・「行政との「協働」再考 : 野宿者支援・運動の展開から」日本寄せ場学会『寄せ場』(28), 35-64 2016年
〇その他
・書評 石岡丈昇著『タイミングの社会学 : ディテールを書くエスノグラフィー』(青土社, 2023)社会理論・動態研究所『理論と動態』(16), 102-107 2023年